コケを利用したコンクリ−ト面の画期的な緑化システム

 コケ植物を用いて環境バイオテクノロジ−(環境保全)の生態系保全をし、河川、湖沼、森林、湿原、海岸、農地、都市などの生態系の破壊を防止します。コケ植物は陸上を大規模に被覆した最古の植物群であり、地球の環境が今よりも極めて苛酷な状態であった時期から延々と生き延びており、コケ植物は「生き続ける化石」として全ての生態系の基礎として重要な役目を果たしています。コケ植物は世界で25,000種程の種類が確認され、日本ではその一割程度の種類が確認されています。それだけの種類があるコケの中には日の当たる場所でしか育たないコケもあります。一般にはコケのイメ−ジはじめじめした日陰でしか育たないと思われております。しかしコケは、岩やブロック塀、屋根などにも生育しており、その場所というのは、乾燥もしやすく土もなくそして熱せられやすい所です。そういうコケを栽培し緑化資材として開発を行なっております。コケの最大の特色は、乾燥しても枯れない、仮死状態になり水を与えれば再生します。又、土がなくても生育できる事です。  
 このように生命力の強いコケを一次的な生態系基盤を復元・改善する事を目的にしております。地球規模で環境問題がクロ−ズアップされる中、小規模ながらこの生物を有効に利用しようとする試みが始まっております。
 通常緑化というと草花や木を植えたりします。つまり今の技術というのはたとえばコンクリ−ト面など無機的な空間に土を入れて緑化としてしまうのが現状であります。しかし、自然摂理からいえば、最初は菌類、次に藻やコケが繁殖し、微生物や小動物などが入り込んで様々な草花が生えてくるものです。それを急に土を入れ込んでしまうためにコンクリ−ト面などの無機質な部分を緑化するのが難しかった要因と考えられます。しかし、コケであれば無機質のところでも育ちます。道端などを見るとコンクリ−ト面の上にもコケは生えていることがあります。それだけコケは環境に適応する生命力の強いものといえるでしょう。つまり、無機質な基盤には緑化資材としてコケは最も適した植物であります。

モルタル吹き付け面のコケ
 
ブロック塀のコケ
 


 コケ植物は根がなく、本来基物に張り付くために、その多くは、仮根(rizoid)と呼ばれる組織の活着作用によって支えられています。又、この組織によって個体(植物体)同士を結びつけ、様々な基物に、そして様々な種類のコケ植物がそれぞれの環境に適応して群落を形成し生育しています。普段何気なく通りすぎてしまう道路脇のコンクリ−ト擁壁面や建造物などに普通に見ることができます。一方、他の植物、特に種子植物やシダ植物のような養水分を吸上げる根のある植物では、上述した無機的環境にはほとんど見ることは出来ません。このような空間(悪環境)にも生育できるコケ植物の種類や生理、生態、形質などの特徴を探ることによって、コケ植物が地球上の環境に、どのような役割を担っているのか、又、直接的に他の生物や人類にどのような効果や影響を与えているのか等を知る事ができます。そして、それらを手がかりに、人為的な利用が可能な範囲を特定し、更には自然はなし得ない機能を補充することによって、これまでの環境改善技術では解決されなかった場所への適用を可能にさせる方法として考え出されたのが、コケ植物(生物体)固定化技術(Moss cotch system)です。

 1)その技術とは、植物の根を利用して土壌、コケ植物などを根ばり(根がらみ)によって人工的にマット状に固定し、一時的な生態系生物基盤を作ったのがNTハビタット・モスキ−パ−です。この製品は以下の特徴を持っています。  

@生育の本質的な要件として土壌を必要としない。  
A乾燥に強く、水がない状態でも、「仮死状態」になるだけで、水分が供給されることによって即座に生物活動を開始する。  
Bコンクリ−ト、アスファルト等の壁面を生物相に変えることができる。  
C散水、施肥などは必要がなく、雨水だけで十分であり管理が非常に容易である。  
D軽量である為、構造物に負担をかけることなく維持できる。  


 施工場所としてはダム壁面、道路、河川敷のコンクリ−ト面や岩壁、ビルの屋上(特に土砂等の重量物を敷く事のできない場所)、工場の屋根などがあげられます。  
 景観の美化という点でも効果をみることができますが、さらにビルの屋上や鉄板部に使用することにより、構造物表面の温度上昇を抑制し、ヒ−トアイランド現象を緩和させ、生態系を復元して生物を育成させるなどの、様々な物理的効果を発揮します。又、製品自身の光合成による二酸化炭素の吸収削減効果や断熱効果が期待できます。

NTハビタットモスキーパー

 この製品は生物の自然の働きによって工業製品を作り上げたもので自然を害する物質を全く含んでおりません。


モスキーパーを利用した屋上緑化
 
トタン屋根の緑化
 

 


 2)コンクリ−ト面に直接のコケ植物での緑化方法もあり、表面がある程度の空隙がある(ポ−ラスコンクリ−ト等)等には、種苗をまき付けて緑化する事が可能です。しかしコケの種苗が風、雨などによって飛散しないようにしなければならず、コケが群落をある程度形成するまで管理をしなければなりません。 ポ−ラスコンクリ−トへのコケ植物の緑化  

ポーラスコンクリートへのコケ植物の緑化
 

 3)河川の護岸はコンクリ−ト護岸が多くありそのコンクリ−ト面に10mmの客土を吹きつけその上にコケ植物を植生してその地域にもともとあった自然を復元するために1次生態系の基盤を作る。コケ植物は10mmの客土の上であれば十分生育でき、ほかの生物を誘発して自然回復が望まれる。客土も微生物を使用したもので水害などによって流れても河川や海を汚染することがなく、河川の護岸コンクリ−トの部分が見えない安全で環境に配慮した生態系復元ができます。

 

環境復元のため

 コケ植物を用いての緑化技術が進み大量のコケが緑化資材として使用されることによって農家の人々が減反の休耕田を利用して転用作物の一つとして栽培や製品化することができます。それは農家が緑化資材としての工業製品を作ることになり、農業の活性化にもなると思います。現在の科学技術がもたらした環境破壊をコケ植物の生命力の力強さと近代農業の技術で環境復元・保全する事が可能であります。これらの技術を用いて環境問題の解決の一つにでもなれればと思います。

 



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