土壌がなくても生育するコケが、屋上、金属屋根、壁面を環境緑化します。工場の省エネ対策、工場立地法の緑化面積の確保に!

 

コケ植物を利用した環境緑化(環境復元)



国歌「君が代」に”コケのむすまで”とあるように、これまでコケといえば”山や渓谷、古いお寺や神社にあるもの”という考えが一般的でした。実際、コケが自然な形で成長するには早くても十年以上もの歳月を必要とします。そのコケを、短期間に栽培、量産化することを可能にした画期的なシステムです。




コケは日本では古代から宗教・文化と深いつながりがありました。

しかし、その実利的な利用は庭園用や園芸用に用いられるなど利用頻度は極端に限られてきました。ところが近年、都市環境の悪化が顕在化するなかで、特に無機的な環境を初期的な生命活動の場(生物層)にできるコケの有効性が俄に注目されるようになってきました。

そこで、たくさんのコケの中から無機的な環境下に先駆的に繁殖することで知られているスナゴケ(ギボウシゴケ科)と、ハイゴケ(ハイゴケ科)を選択し、これを大量に継代栽培しました。



スナゴケ

火山の噴火によってつくられる火山活動や溶岩流地、または造陸運動によって形成された海岸域の砂丘等の無機質で乾燥した基質に先駆けて生育する代表的なコケです。スナゴケがこのような基質上にできるのは、体のつくりが強い光や急激な乾燥に耐える構造になっているからです。
ハイゴケ

腐食土壌や砂地等のやや日のあたる場所に厚い群落をつくり生育します。赤松林や、水田のあぜ道、または草原等の草丈の短い植物の間に混生します。植物体は地を這うように重なりあって群落を形成します。

 

コケ植物による環境負荷の軽減

 

都市の緑化は、住民に潤いや安らぎを与えると同時に、気象緩和効果や建物に対する断熱効果による空調などのエネルギ−消費の抑制、CO2や大気汚染物質、及び重金属類の吸収に有効であるといわれています。

 

■気象の緩和と断熱効果
スナゴケは自重の約20倍もの水を保つことができます。一般に植物は地中から水を吸収して葉で蒸発させることで気温上昇の抑制の効果をもっていますが、コケは大気の乾燥に対し体内の水分を蒸散して生命を守ります。このようなスナゴケの保水性と蒸散効果は、微気象の緩和に有効であることがわかってきました。

 

■CO2吸収と炭素固定化
コケは他の植物と同様に炭素ガス同化作用により炭素を体内に固定化する働きを持っています。一般の植物は、体内に固定化した炭素を落ち葉や枯れることにより土中で腐食したり、都市の中では焼却されることにより大気中にCO2を還元してゆきます。その結果CO2の吸収と排出の吸支は概ね1:1であると言われています。ところが無機質上に(特に乾燥度が高い場所)に生育できるコケは腐食化の進行が極めてゆるやかであるため炭素を固定したまま堆積し、ピ−トモス・泥炭層を形成してゆきます。このことからコケは長期的にみると他の植物に比べて炭素の固定化度が著しく高いといえるのです。

 

 

 

コケ植物による物体の保護効果と水源涵養

 

■『建造物』
コンクリ−ト、防水層、塗装材の劣化は紫外線や赤外線による温度差が原因といわれています。この劣化を防止するのには植物を被覆するなどの手段が有効とされています。植物によって紫外線は遮断され、温度変化の伴う建造物の膨張を抑えるなどの劣化軽減効果を生じます。このことは、建造物の耐久性を向上させる重要な条件の一つです。コケが生育するうえで他の植物と大きく異なる点は、土壌をほとんど必要としないことです。土壌層がない状態でもコケには劣化軽減効果があり、特に屋上の場合、従来の緑化植物を生育させるために必要な全重物に比べて超軽量となるため建築構造の負担が著しく軽減します。また、コケは自重に対しての水分保持能力が優れているため急激な降雨による流水を一時的に蓄え都市の排水処理機能の一翼を担うものとして期待されます。

 

■『土砂の流失防止』
道路や宅地造成等によって出現する斜面は降雨によって土壌の流失を引き起こします。そのため、斜面には有機性土壌に種子を含有させた緑化材を吹き付けたり、コンクリ−ト(コルタル含)やブロックなどでその多くを固めて土砂の流失を防いでいます。これらの防止策はその目的において絶大なる効果を発揮し、人々や財産を自然現象の脅威から守ってくれていますが、一方ではさまざまな問題を発生させていることも否めません。緑化材の吹き付けのケ−スでは有機物の減少化(無機化)によって植物が衰退し、新たに土砂の流失を招くことがあります。また、コンクリ−ト、ブロック面では生物層が成立せず、生物移動が遮断されるといった現象が少なからず発生しています。古くからコケには素早い水の吸収といった機能によって土砂の流出を抑える効果があることが知られています。種子吹き付けにおいての部分的な流出箇所の補修や種子植物との混生使用によって生態系がより豊かな状態に生まれ変わり、その結果長期的に土壌の流失、飛砂防止などを食い止めることが予想されます。(この現象による効果は、自然の働きの中でも普通に見ることができます。)また、無機質で代表的なコンクリ−ト斜面上にコケ(生物層)が被覆されると生物(微小動物)の通り道となり、生態系間の交流抑制緩和になることが知られています。生物層の成立によって様々な要因(温度上昇など)による悪環境が抑制されるため無機物な基質であっても生物たちの往来する道となったり、このような環境を好む生物にとっては新たな生態系を形成する礎になっています。

 

■『水源涵養』
コケの群落が厚みを増してくると一次的に大量の水を保持することが知られています。コケの表面が乾いていても水を吸収する速度は素早くゆっくりと地面に水を浸透させる機能があります。樹木や土壌等に比べその体積から小規模な水分保持量ですが、流水を抑え土壌や樹木に安定的に水を吸収させる等の効果があります。

 

 

社会的な省資源効果と環境改善

 

コケを使用した屋上緑化や壁面緑化を行なうと、夏季の温度上昇の軽減による冷房の省エネルギ−効果冬季の保温による暖房の省エネルギ−効果が期待できます。さらに、コケは大気の乾燥に強いことから常時散水をすることが不要となるため、かん水のために水道水を使用しその時にかかるポンプアップによる電気消費量といった2重のエネルギ−消費を軽減させる事ができます。その結果、大局的にCO2の削減に寄与できることになります。